大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)122 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人原田武彦の上告理由について。

論旨は要するに、詐害行為取消の訴は、受益者のみならず債務者をも相手方とし

て提起せらるべき必要的共同訴訟であるから、本訴提起について、被上告人は、債

務者であるD、同E、Fをも相手方とすべきであつたにも拘らず、受益者である上

告会社のみを相手方としたのは違法であり、本訴請求を認容した原判決も亦違法で

あると、主張するに在る。

しかしながら、詐害行為取消の訴を提起するには、債務者よりその財産を譲受け

た受益者、またはその転得者を相手方とするを以つて足るのであつて、債務者をも

相手方とする要のないことは、大審院判例(明治四三年(オ)第一四八号、同四四

年三月二四日大・民・聯・判決、民録一七輯一一七頁)の示す所である。いま遽に

この判例を改める要はない。したがつて、受益者である上告会社のみを相手方とし

た本訴請求を認容した原判決に、所論の違法はない。論旨は独自の見解に立つて原

判決を非難するに帰着する。

論旨は、これを採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

- 1 -

裁判官 高 橋 潔

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!